Old.Stanceというイベントをご存知だろうか？
　昨年12月2・3日に台湾の高雄（カオシュン）で第3回目を迎えたチューニングカーの祭典だ。
　正直、筆者は今回の台湾視察で初めて存在を知ったのだが、Facebookを覗いてみると1,000「いいね！」を超える投稿があるなどなかなかの盛り上がりを見せる。
　前回までは日本車中心のイベントだったらしいが、もっと欧州車にフォーカスしたイベントにしたいとのオーガナイザーの意図から場所も一新して開催されたそうだ。
　会場は、E-DAワールドというテーマパークの一角を使用。直ぐそばには建設中止で廃虚化したホテルがあり、何とも良い味を出している。スタンス系（ベタベタに車高を落としたようなジャンル）イベントにはもってこいのロケーションだ。

　すっかり陽も落ちた1日目の18時頃、会場に近づくにつれ音楽と熱気を帯びた雰囲気が我々を出迎えてくれた。さながら野外フェスの様な賑わいを見せ、開放感のある素晴らしい雰囲気。というのが第一感だ。
　クルマの並べ方はスタンスネーションのように真っ直ぐ並べるのではなく、ランダムな感じで並べるスタイル。
　オーガナイザー曰く、毎年オーストリアで開催されるワーゲン&アウディの祭典ヴェルターゼをイメージしているという。なるほど、規模は違うものの近い雰囲気を感じる。

　観客席から手の届きそうなメインステージでは、プレゼント企画や有名？アーティストによるライブなどで会場を盛り上げている。
　また、野外イベントらしく、お酒を飲みながら楽しんでいる方もいるが、悪ノリするような輩が見当たらず、子供連れも楽しめるクリーンな感じが好感がもてる。
　会場自体は、2時間もあればゆったりと回れる程度の広さで、そんなに大きな規模ではない。それでも450台の車両が展示され、4,000人の来場者を集めたというから驚きだ。
　因みに高雄は台湾の南部に位置し、夜でも20℃近くありとても過ごしやすい。

　さて、クルマに目を移すとコテコテにモディファイされたクルマがズラリと並ぶ。欧州車6、日本車3、その他1といった割合か（あくまで筆者の感想）。欧州車はアウディ、ワーゲン、BMW、ミニ、ベンツあたりが万遍なくといった感じ、日本車では特にホンダが目立つ印象。
なぜホンダが多いかと聞いてみると、台湾にはホンダの工場があるから馴染み深いとのこと。そういえば以前に台湾でホンダが何十万台突破！みたいな記事を見た覚えがある。

　こんなバリエーション豊かな展示車両の中でも目を引いたのが、アウディR8！実はこのクルマ新商品のバージョン4を装着している。バージョン4の詳細 こちら をクリックいただきたいが簡単に説明すると、純ストリート用としては初めて3way減衰力調整機構を採用した、究極と呼ぶに相応しいストリート用の車高調なのだ。
　実際装着されたオーナーは、バージョン4に変えてから「乗り心地、ハンドリング共に最高だ！」と大変満足されたそうだ。
　さらに純正の電子制御ダンパーが装着されていた青いRSQ3のオーナーは、DDC を希望されていたがDDCプラグ&プレイの設定が無く、あえて純正機能をとっぱらいDDC ECUを装着するという大胆な選択をされた。結果その見違えるパフォーマンスに満足され走りを楽しんでおられるとのこと。なんと驚いたのが、このクルマのオーナーは女性だったこと！
　改めて思い知らせた、そう、「走りに拘るのに性別は関係ないのだ」と...
　他にもバージョン3を装着しているコルベットC7やアウディA6、パンデムのボディキットを纏ったFD3Sや86やMX-5、某メーカーの偽者を装着したクルマなど（苦笑、とにかく見ていて飽きないラインアップで我々を楽しませてくれた。

　そういえば気になっていた「old」。名前からして往年の名車の集まりかと思いきやそうではない。新しいめのクルマが多数展示されている。質問してみると「付けたかったから（笑）」冗談とも本気とも取れる回答が帰ってきた。うん、大きな問題ではないのだ。 　そんな訳で2日に渡りOld.Stanceを体感したが、ロケーションも相まってスタンス系のコンセプトがよく体現されたイベントのように感じた。今後も注目して行きたいイベントだ。